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2021年03月19日

「仲座久雄展」にて


「仲座久雄展」にて

中城村出身の建築家「仲座久雄」氏の展示会が
2021/3/29まで、中城村護佐丸歴史資料図書館にて開催されています。


仲座久雄(1904~1962)
戦前・戦中・戦後の激動期に、沖縄で活躍した建築家。

多くの方が、彼の功績を紹介しています。

WEBにあるもの参照
中城村護佐丸歴史資料図書館ブログ
おきなわ建築WEB掲載
沖縄タイムス住宅新聞ウェブマガジン フクハラ君 沖縄建築を学びなおしなさい[4]
沖縄戦後復興における規格住宅の計画と供給について  金城春野 小倉暢之


現在開催中の企画展の関連で、建築家 中本清氏による講演会が、3/14に行われ参加してきました。

元祖「花ブロック」の考案者で、戦後住宅復興の「規格型住宅(きかくやー)」を、設計し普及させた。
その程度のことしか知りませんでしたが、
講演を通し、彼が、守礼門の修復や、園比屋武御嶽(そのひゃんうたき)や、旧崇元寺の石門復元、
その他数多くの戦災で失われた琉球文化財の研究などにも、多大な功績を残していたことを知りました。

僕が、「建築家 仲座久雄」に感銘をうけたことは、
58歳の生涯ですが、沖縄~アメリカ~琉球の幅広い文化に触れ生きた中で、
その時勢にあわせ、柔軟に、デザインの大義を変え、社会に尽力したことです。

「仲座久雄展」にて

「仲座久雄展」にて

文化財の修復では、徹底的に研究し、材料にもとことんこだわり、造り手の職人も厳選する。
琉球文化の継承にロマンを抱き、強いこだわりを感じる仕事であった。


「仲座久雄展」にて

戦後住宅復興の規格住宅(きかくやー)は、A0用紙1枚の図面で、4年間で7万3500戸を建設した。
製材所で製材された部材を、各村に無償で配給し、村民が「基礎班」「組立班」「屋根葺き班」と3組に分かれ
1棟を30分ほどで組み立てるスピードであったそうだ。
この仕事では、大量生産のために、わかりやすさ、プレファブによる精度と生産、現地でのセルフビルド、屋根材は、茅葺きや、テント地など
確実に調達できる材料を選択できたという。
生き抜くことを追求した「民のためのデザイン」であった。

「仲座久雄展」にて

「仲座久雄展」にて

後期は、今では沖縄の建築材料のアイコンとまでなった「花ブロック」の原型を開発し、建築作品に多用した。
アメリカ支配下の中で、異種文化を柔軟に取り入れ独自の材料にした。
そして、建築士会を設立し、人材育成を担った。
これらは「新たなデザイン」であった。


いつの日か、映画になる建築家だと、思いました!

この機会に是非、展示を御覧下さい!


タグ :仲座久雄

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